石田健著「早起きは3億の得」から学ぶ人生逆転7つのコツ

本の感想

この本は期待を裏切ります。いい意味で。

 

 

インターネット界のカリスマ「石田健」氏の著書「早起きは3億の得」。と言っておきながらこの本を読むまで著者のことは失礼ながら存じ上げなかった。タイトルから想像すると、軽めなノリで書き上げられた、要所要所にカタカナ英語が頻出する「俺スゲー」的な本かと思いきや、豊かな日本語で堅実に成功論について語る素晴らしい本でした。備忘録として要点をまとめておきます。

 

石田健著「早起きは3億の得」から学ぶ人生を変える7つのコツ

1.首尾一貫性を放棄せよ

人の持つ特性の一つに一貫性というのがあります。なにか行動を起こすときに以前の言動と今回の行動に一貫性を持たせようとする脳のクセ。このクセのせいで僕らは、「間違ってる」とか「今の時代にあっていない」と感じていても過去の手法を踏襲してしまう。著者はこういった過去の言動には囚われなくてもいいと主張しています。これはわずか1時間前の自分の行動に対しても同様で、たとえ1時間前にAということを決めていたとしても、Bが正しいと感じるのであればBに変更しようではないかと。日本のことわざには首尾一貫とか初志貫徹とか、一貫性を重んじるものがありますが、それは必ずしも正しくないということで、むしろたいていのケースにおいて間違っている。まさにその通りだと思う。

僕は、過去にまったくこだわりません。悪く言えば首尾一貫性がありません。88頁

 

2.「受け取ってはいけない情報」に注意せよ

情報を集めれば集めるほど動けなくなるから、情報を集めるのはやめましょうってことを著者は主張してます。確かに慎重に行こうとしているときほど情報の収集に時間を取られ、いつまでも実際の行動を起こさない時がある。そんな状態になるくらいであれば、むしろさわりだけ情報収集したらさっそく初めて見るのがいいのではないかと。世の中の大半の人が情報の収集を重ね、そして何もしないということを一年中繰り返しています。そういう意味では情報の収集はもはや悪だと言っても過言ではないッス。

「情報整理術」みたいな本が多数出ていて、ありがたく読まれていますが、実は整理すべき情報というのはきわめて少ないのです。110頁

 

3.情報収集をあえて放棄する

2つ目のポイントと関係するところ。ここで著者が言いたいのは情報収集を全くしないのではなく、人と同じ情報を手に入れ続けても意味がないということ。例えばランキング上位にあるビジネス書だとか流行っている考え方の本だとか、そういうのはみんな読んでいるので自分が読んだとしてもアドバンテージを生むものではないと。最近の口コミ全盛時代では売れているものがさらに売れるという状況が続いてます。ある意味情報や持ち物の画一化が進んでいると。例えばamazon上位にある本とか文房具とかはみんな持っていますもんね。そんな中あえて人と違うことをすることによって違いを生み出し時にアドバンテージを生むなんてことは考えれば当たり前なんです。ただ僕もあなたも失敗をしたくないという気持ちが働いてますから、なかなか冒険せず口コミのいいものばかりを手にしているんです。

成功とは、多くの人々との間に<差異>をつくることです。その誰かがみな同じ本を読んでいるときに、自分も同じ本を読んで<差異>が生まれるわけがないのです。119頁

 

4.僕が小説を読む理由

情報収集としてビジネス書が参考にならないことはなぜか?それは8割のビジネス書は残り2割の焼き直しであり新しい情報を含んでいないから。ビジネスを何冊か読めば確かに分かってくるのがどれも根本的に言ってることは同じってこと。周りを変えるには自分を変えないといけないとか、嫌いな人ほど仲良くしていくべきだとかね。確かにそれが真髄なのかもしれないがそれを何度も違う表現で読んだからって身につくわけではない。実践が必要。そんなビジネス書を読むくらいなら小説を著者は強くお勧めしている。小説には様々な人に思考パターンが描写されていて、ビジネスの中で判断を下すときの予測に役立つと。特にお勧めされている作家山崎豊子の「不毛地帯」、僕も読んでみよう。

ビジネスは選択の連続です。ある選択をしたときにもたらされる結果を予測しなくてはなりません。この予測にしても、イマジネーションがあるとないでは雲泥の差がつきます。123頁

 

5.小説を読むことで、ビジネスに使える「言葉」を手に入れる

3億という金額をもってくる煽り気味のタイトルとは裏腹に、著者の言葉からは非常に誠実な人柄を感じる。表現力が豊かで小説を多く読んでいるというのも頷ける。これはなんだかんだやる理由をつける必要もないほどシンプルな話。とにかく本を読もう。小説を読もう。

小説を読むことによって何を獲得するのかといえば、言葉である、と思います。126頁

 

6.濫読のススメ

情報の集め方、本の読み方に関する感想が多くなってしまった。それほど本の有効活用の重要性を感じさせる著者なんですよ。普通の人は本を読むときに一冊を読み終わってから次の本を読むという「律儀なルール」を守っている。著者の本の読み方はそれとはまったく違うもので同時に10冊を読み進めたり、読むペースより速いペースでバンバン本を購入していたり、読んでいる途中で本がなくなったりとユニークだ。ただそれほど本を読むことに対して脱力した姿勢で臨んでいるということ。僕は何か読みづらい一冊の本にぶち当たったとき、他にも読みたい本があるのにもともと読んでいた一冊に固執してしまって、結果読みたい本がいつまでも読めないなんて時がある。そういうときは思い切って次の本を読み始めてしまってもいいんだよ。本は一冊ずつ読めなんて誰も言っていないのにね。なんでそんなやり方をしてたんだろう。

読んでもつまらない本は、途中で読むのを放棄します。(中略)人生の時間も限られていますので、貴重な時間をつまらない1冊に捧げる余裕はない、と思うわけです。132頁

 

7.思うとやるは別世界

~したいとは言うけれど、いつまで経ってもやらない人でこの世は溢れてる。そうです、僕も。著者曰く、「思う」と「やる」を隔てているのは死ぬくらいの覚悟。なるほど、そんな覚悟が必要なのに引き寄せの法則がどうのこうのって言いながら待ってたって、永遠にやる時はやってこないわな。結局は僕らは成長・成功のために変化することが必要である一方で、根本的に変化を嫌ってるという矛盾した生き物。この矛盾がやる人としたい人、成功する人としない人を分け隔て続けてる。ほらここに答え出てるんだけど。それでもやらない?

常に行動、行動の人というのは、その死の恐怖をある程度克服しちゃってるんです。(中略)わずか5分でよいのでまずは行動に移してみること。(中略)この世界は<著しく不連続なもの>によって構成され危うく成立している、というふうに考えることができます。なんかそう考えたら、すごく肩が軽くなった気がします。227頁

 

まとめ

タイトルは「早起きは3億の得」だったけど、結局早起きに関して”以外”にいろいろと考えさせらるという。本を読めってことですよね、結局のところ。まわりまわってなんとも普遍的な場所にたどり着いたわけです。一応著者が早起きに対して何を言っていたのか気になるあなたのために要点だけ言っておくと、早起きすると自分の時間もとれるし、インスピレーション沸くし、一日の時間が長くとれるしで成功するよって話。たぶんすでに成功者のあなたならすでに聞き飽きたことかと思いますが。

 

さとすきー

 

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