ちきりん著「自分メディアはこう作る!」それであなたはなにが言いたいの?

読んでためになったことはなにか?

読んで何を考えたのか?

ちきりん氏の書籍「自分メディアはこう作る!」の書評でございますよ。

書評「自分メディアはこう作る!」それであなたは何が言いたいの?

1.メッセージを伝える

ちきりん氏は「伝えたいこと」を軸にブログを作成するそう。あなたにも当たり前かもしれませんが、僕の場合だと「新しいキーボード買ったから」みたいなことが軸。よくよく考えてみれば結局そこで伝えたいことはいい「キーボードだったぜ」とか「価値観が近いあなたはこれ買うと幸せになれるじゃない?」みたいなことであって「キーボード買ったこと」ではないんですな。そういえば伝えたいことってのは会社のプレゼンテーションでも基本でしたね。1枚1枚のスライドの目的・メッセージをまず明確にするっていうアレですね。

つまりブログの起点は、「これについて書く」とか「この本を紹介する」ではなく、「このことを伝えたい!」というメッセージの発生なのです。47頁

2.ブログから得られる収入

2013年時点での話だそうですが、ちきりん氏のブログ収入は約200万PVで500万円。ほとんどがアドセンスとamazonアソシエイツ。PVから考えるともっともっと収入があってもいい気がしますが、マネタイズには興味がないとのこと。ちきりん氏は自分のメッセージを伝えたいという目的がまずあって、その上で最低限の生きていくためのマネタイズをやるっていう考え方なのですよ。メッセージがはっきりしていて賛否両論を巻き起こしやすいので、メッセージが「勝手に独り歩き」という名のブランディングをしてくれている。この一億総メディアの潮流に乗った時代の申し子のような存在でやんす。

広告から得られる収入に書籍の印税等を加えれば、ちきりん活動から生活に必要な収入は得られます。137頁

3.成長したければ、ひたすら変化すべし

これはちきりん氏のメッセージではなく著書中で紹介されているプロ格闘ゲーマー梅原大吾氏のメッセージ。これね、いまより良くなるかわからなくてもとりあえず変われと言ってるんです。よく考えてみると人生の選択肢って「変わる」か「変わらない」しかない。「良くなる」って選択肢はないんですよ。とりあえず「変わる」っていう選択肢をとってみた結果、以前より良くなったり悪くなったりしている。大半の人はこのまま進めば良くなるって考えて「変わらない」っていう選択肢をとる。で、99%の場合、現状維持どころか悪くなってる。このことに気付かないと良くはなれないってことッス。まあダメだったらまた他の道を探すくらいの気持ちでいいんでしょうな。人生のたいていのことって実はやり直しが利きますからね。

私たちが変化をためらうのは、過去に手に入れたものを捨てるのが怖いからです。今までと同じことを続けていれば維持できる何かを、変化したとたんに捨てなくてはならなくなる。それが怖くて動けない。165頁

4.将来有望な若者の将来価値を毀損する、大きなワナ

廃れゆく日本の大企業で働くことのリスク。これだけシャープだ東芝だと騒がれているのに大企業に職を求める人が後を絶たない。彼らのやり方が正しくないことはもはや誰もが知るほどに証明されているのに。ちきりん氏は若者が最初の就職先として大企業を志望することに警鐘を鳴らしておりますぞ。日本の大企業は福利厚生が手厚い、人事制度がしっかりしている、入社時の研修で多くを学べるといった理由で選ばれがちなのであるが、どれも世界と比較するとおかしなシステムで結果が出なくなっている。僕は国内⇒外資(ドイツ)とメーカーを渡り歩いて国内メーカーの非生産的だがそれを良しとして黙認する環境は嫌というほど見てきた。外資は外資で日本を舐めているという別の問題はあったんですがね(笑)

「完全に周回遅れです」みたいな場所で人生最初の職業訓練を受けることが、どれだけ自分の将来価値を毀損する可能性があるか、よーく考えたほうがいい。185頁

5.「思考と分析」、その微妙かつ決定的な違い

意識してます?思考と分析の違い。これ突かれると結構痛い。知らず知らずのうちにただの分析をあたかも自分の意見のように前面に出していた。「だから市場規模は50,000台なんですよ(暗にA案またはB案がいいですよみたいな雰囲気は醸し出す)」なんて言ってね。で、結局何が言いたいんだって話。これってサラリーマン生活を続けていくうちに身につく防衛本能みたいなもので(笑)分析って事実だから否定のしようがない。だから分析結果を前面に出し続けている限り否定のされようがない。

自分の意見を交えながら「市場規模は50,000台だから絶対にもう一つエンジン追加したほうがいいんです」みたいなことを言うと、特に答えは持ち合わせていないのにツッコミだけが命の否定屋は、それはもう喜び勇んで攻撃してくる。個人の意見や選択が正しいことを証明する”十分な”データというのは永遠に存在しないのにね。でも分析だけを述べているより、自分の意見を述べているほうがよほど価値を生んでいることを知るべきじゃろうて。

たとえどんなに稚拙な考えであっても、どんなにぶっとんだ考えであっても(誰がやっても同じになる)単なる分析結果なんかより、人によって異なる「誰かの考え」のほうが圧倒的におもしろいし、価値はまさにそこにあるのだということです。263頁

6.「Aとも言えるがBとも言える」とか言う人の役立たなさ

いるでしょ?こんなひと。これ5つ目のポイントとも似てるんだけど、AっていうとBもありえるっていうし、BっていうとAもありえるっていう。じゃあ一体「どっちならいいの?」って話。こういうレスポンス、財務とかITインフラとかのバックオフィス系の人に多い。何もしないのがいいって考えてない?終いには「いやどちらのケースもリスクを十分に吟味しないと」とか言い出す始末。たまにこういう決断できない人がマネージメントにいたりする。もうこの会社終わってるなと思う瞬間である。

「Aとも言えるがBとも言える」みたいな言い方をする人の多くは、自分の意見さえ持てないくせに、「ちょっと賢そうなことを言いたい」と思ってます。270頁

「場合による」「例外はゼロではない」なんて、1秒も考えなくても言えます。270頁

7.グローバリゼーションの意味

グローバル企業。日本企業の中にも存在しますよね。でもグローバル化してるのは商品だけで、組織はグローバル化してないって話ですよ。4つ目のポイントと重なりますが、日本企業の海外支社ってトップのほう大体日本人ですよ。日本の課長が現地に行くといきなり社長とか副社長とかなっちゃうわけ。まあ日本企業だけでなく僕のいたドイツ企業も海外法人の主要ポジションは大半がドイツ人で占められまくってました。ドイツ人だけじゃ人が足りないってんで慌ててローカル採用の経営メンバーを育ててましたけどね、そんなすぐには育たないッス。アメリカ系は少し違うんですね。

グローバリゼーションとは、日本人に英語を習わせることではありません。それは、世界の人を受け入れること。世界の多様性を受け入れることを言うのです。274頁

まとめ

他の著書も読みたくなる良い本でした。ただこの本はちきりん氏の考え方をたくさん集めているというよりは、どの様にちきりん氏がこれまでを歩んできたかを記す書ですんでお間違いなく。

さとすきー

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