怒りを我慢はNG!書評「怒らない」選択法、「怒る」技術 苫米地英人著

日本では怒りの感情はどうしてか度々タブー視され、怒らないことを美学とする考えが蔓延しています。

僕が最近読んだ、苫米地英人氏による著書“「怒らない」選択法、「怒る」技術”はそんな日本の状況を見据え、怒るということに新たな視点でスポットを当てている一冊。

日々無駄なストレスを溜めず、できるだけ好ましい結果に結びつける方法は、すぐに会社でも役に立つものばかり。

内容をまとめてみたので、参考となれば。

書籍まとめ「怒らない」選択法、「怒る」技術

怒ってもいい条件

この著書は日本人が普段ため込みがちな怒りを、もっと外に出すべきだというスタンスで書かれている。

ただしなんでもかんでも怒ればいい、なんてことでは当然なくて、いつどのように怒れば効果的なのかを解説している。

怒っていい条件には2つ。この2つを同時に満たす場合のみ怒ってもOK。

怒る条件さえ揃っていれば、たとえ相手が誰であろうと、どんな状況であろうと、あなたは堂々と怒りをあらわにしていいのです。

怒ってもいい条件①:不利益が生じた

条件の一つ目は相手に過失があって、その過失によって自分に不利益が生じたこと。自分が嫌な思いをしたことは条件の1つになります。

怒ってもいい条件②:予想外であった

もう一つの条件はその過失が予想外であったこと。この2つ目の条件が重要で、この条件を満たさずに怒ることは不条理だと述べている。

どういうことかというと、例えば入社間もない部下が失敗をおかしてしまい、なんらかの不利益が生じたとする。しかし失敗をしそうな相手が実際に失敗するのを見て怒るのはおかしい、ということ。

なぜなら失敗しそうなことは分かっていたはずなので、それをサポートしてあげるのが正解になる。

他人の失敗で怒ってしまうのには、知らないうちに望ましい他人の行動を期待していたから。勝手に期待をして、期待通りに行かなかったと怒る。たしかにこれでは怒られる方は、たまったものではないですね。

自分勝手な期待を、他人に押し付けて、その期待に応えないと怒る。どう考えてもそちらのほうが理不尽です。

知らないうちに自分の常識に従って、他人に期待していることは多々あるなあと気付かされました。

正しく怒る技術

実際に2つの条件を満たしていて、いざ怒る場面となった。さて僕たちはどのように怒ればいいのでしょうか。もっとも大切なこととして著書で挙げられているのが「IQを上げる」ということ。

人は怒るとどうしても感情的になってIQが下がってしまいがちですが、それでは怒りの現場で勝利をつかむことはできません。

具体的な例を挙げていこう。

1.丁寧な言葉を使う

IQを高めるためには、丁寧な言葉を使うことによって「脳(著書では前頭前野に言及しています)を活性化させるこ」とがまず初めのステップ。

相手の激しい言葉に反応せず、常に自分の思考を言語化することが重要となる。

「この野郎!」と思ったから「この野郎!」と言うのは、”感情の言語化”

「思考の言語化」と「感情の言語化」は、まったく違うことに注意が必要。

2.不利になる行動はしない

怒りに全身を震わせながらも、自分に不利になる行動だけはしない。

言葉・肉体の暴力が、自分を不利にする行動の典型。著者はこのために「前頭前野内側部」のフル稼働させるべしと述べています。これは次の常識への対処にもつながっていくことです。

3.「常識」という言葉への対処法

どうも納得できないけど、なにがどう違っているのか指摘しづらいのが、この「常識でしょ」戦法です。

確かに相手に「常識でしょ」と言われると、そこで思考がストップしてしまう。結果、なんだかよく分からないうちに相手に同意してしまったりする。

このわだかまりを残して同意することは、自分の立場を危うくするステップになる。

その対策としては、以下のキーフレーズが有効。

「なぜでしょう。どこか納得しきれませんが」

これはマジカルフレーズ。

確かにこのフレーズを使うとうまく反論はできないけど、納得はしたくないときに効果絶大

正しく怒られる技術

正しく怒る技術の一方で、怒られる立場の場合どのように振舞うのが正しいのだろう。この点について著者は以下を挙げています。

被害を負わせてしまった側ですが、やるべきことは謝罪と損害の穴埋めです。

謝罪と損害の穴埋め

被害を負わせてしまった場合、相手が起こるのは当然。まずは怒りが収まるまで黙っておくのが賢明です。そして頃合いを見て「そろそろいいですか」と切り出す。

この切り出しのタイミングを見極めるのは、正直なかなか難しいのではないかと感じるけれど、ビジネスでは損失補てんが最優先であることを考えると、ある時点からはリカバリーに集中して進まないといけないですね。

その他の重要なポイント

以上が正しく怒る技術のまとめ。その他にもためになるポイントがあったので紹介しておきます。

経験値が違う人間を怒るのはおかしい

経験値が違う人間を本気で怒る人間は恥を知るべきであり、自分の無能さにこそ、腹を立てるべきなのです。

たしかに日本社会には相手に自分と同等の知識・スキルがあることを前提とするような風潮がある。

ヨーロッパ・アメリカなどでは質問をすることはとても自然なことだけれど、日本だとそんなことも知らないのかという空気をしばしば作り出す。

誰もが最初は知らなかったし、経験をしていなかったはずなのに。相手の立場を思いやった振舞いが重要です。

最後に

苫米地英人氏の書籍「怒らない」選択法、「怒る」技術についてまとめてみましたが、いかがだったでしょう。

日本人はもっと怒りを表すことを推奨している著書にもかかわらず、逆に「自分はいままでなんてつまらない場面(怒るべきでない場面)で怒りを感じていたのだろう」と思える結果となりました。

このまとめでは触れていないけれど、著書では「正しい怒り」をテーマにした具体的な例が政治や社会問題の中で取り上げられている。こういう見方もあったんだと思わず納得してしまった。

興味のある方はぜひ手に取ってみて欲しい。

そこのあなた、「なぜでしょう、どこか納得しきれませんが」なんて言わないで・・・

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク