ゲームがしたい
僕はテレビゲームが好きだ。寝食を忘れ何時間でもやっていられるほど。
でもいまはもっと大事なことがあると分かっているからしない。
(死ぬ前には死ぬほど炭水化物を食べたいという感覚と似ている)
もう少し時間が出来たらやりたいと思っている。
老後とか。
そこでふと疑問が浮かんだ。
高齢者でテレビゲームをやっているという話をあまり聞いたことがない。
「僕自分を含め老後テレビゲームをやろうという人は、なんらかの理由でテレビゲームをやることを断念するのだろうか?」
高齢者の趣味
実態として高齢者の趣味はなんだろう。下記のグラフを見てほしい。
出典:総務省統計局
右から2番目に記載されているのがテレビゲーム・パソコンゲーム(平成18年が4.6%、平成23年が6.0%)。増加傾向にあるものの、想定した通りあまり多くはないのが分かる。
高齢者がテレビゲームをやらない理由
いくつかの理由を仮定してみる。
1.認知機能が衰えるから
認知機能を測るための指標として以下のグラフでは日常問題解決能力、言語(語彙)能力、短期記憶能力が年齢によってどう変化するかを示している。
出典:日経BP社
なんと短期記憶能力以外は70歳まで上昇を続けている。まあ、なにをもってそれぞれの項目を数値化しているのか、などの疑問は残るけど、認知機能の観点からはテレビゲームの障害となる原因を感じない。短期記憶がピークと比べ30%ほど落ちているのが、ゲームプレイに大きく関わるのか。
2.反応時間が長くなるから
5歳から70歳までの反応時間の推移を示すグラフがこれ。正直どれだけ信用していいソースなのかは不明だけれど、他のソースにおいても20歳から50歳にかけ反応時間が1.5倍となっていたため、事実と根本的なズレはないと信じたい。
出典:STUDYBLUE
20歳男性の反応時間の短さは特筆もので(150ミリ秒)、確かにそのときと比べると男女ともに70歳では約2倍の反応時間がかかっていることが分かる。
ただテレビゲームを趣味とすることにおいて、この反応時間が2倍となることが致命傷なのかどうかは不明。あまり問題であるとは思えないのが率直な印象。
3.視力が低下するから
年齢による静止視力と動体視力の推移を示したグラフ。
なだらかに低下していく静止視力と比べ、動体視力は60歳を過ぎたあたりから大幅に落ち込むのが分かる。
出典:視覚認知教育協会
これはテレビゲームを行ううえでの大きなハードルとなるかもしれない。特にアクションゲームは。
逆にシミュレーションゲームやRPGをプレイするには特に問題がないようにも思える。
4.幼少期の遊びの影響
いま高齢者にあたる方々はおそらく幼少期を昭和20年代前後に過ごしている。
出典:昭和60年発行「文藝春秋」増刊号 昭和20年代の子供の遊び
昭和20年代にテレビゲームなどあるはずもなく、自分たちで遊びを作り上げていた。その時代の電化製品に頼らない遊びの記憶が、現在の趣味につながっているとは言い過ぎだろうか(実際、前掲の趣味一覧の中で、電化製品が必要なのは音楽鑑賞、テレビ映画鑑賞等の一部のみ)。
まとめ
年をとるにつれて認知機能、反応時間、視力など身体に関わる能力が衰えるのは事実。しかしそれらがテレビゲームを楽しむ障害となるレベルであるとは到底思えなかった。
やはりそれよりも個人の意思、趣向が老後の趣味により大きく関わっているように見える。
高齢者のテレビゲームへの関心は少しずつではあるけども、年々高まりつつあるのは前述の通り。また、かつてないほどパソコンへの興味が高まっているなどのデータ(以下グラフ)もある。
出典:総務省統計局
僕を含めたいま40歳前後の年齢層が高齢者と呼ばれるころには、テレビゲームが高齢者の趣味として一般的なものとなっているのは想像に難くない。
ということで、最初の疑問に戻ろう。
「僕自分を含め老後テレビゲームをやろうという人は、なんらかの理由でテレビゲームをやることを断念するのだろうか?」
僕の出した答えは「断念しない」だ。
ある精神科の先生はこんなことも述べている。
ビデオゲームは認知機能を高める
みんな、年をとっても心置きなくゲームをしようじゃないか!
さとすき
コメント