おそるべきカフェイン断ちのメリットとその効果的な方法

ライフハック

僕たち日本人が(まあ日本人じゃなくてもですが)毎日のように口にするカフェイン。
コーヒー、紅茶、ココア、コーラ、チョコレート、風邪薬と数多くのものに含まれております。

このカフェインは頭をスッキリさせたり気分をリフレッシュすることで知られているし、コーヒーの独特の風味を生み出す大切な要素の一つでもあります。

ただそんなカフェインにも依存症を引き起こす成分としての別の顔があります。

 

侮れないカフェイン断ちのメリットとその方法

1.カフェインの問題点

カフェインの最大の問題点、それは

「カフェインは頭をスッキリさせる」

と考えられていること。
その何が問題なのかというと、カフェインは頭をスッキリさせているのではなくて、実際にはカフェインの離脱症状で回らなくなった頭をカフェインが元の状態に戻していることに気づいていないのです。

誤った認識:カフェインで思考力がアップした
正しい認識:カフェインで思考力が落ちたので、もう一度とったら元に戻った

これはとある研究[1]で判明したことで、あらかじめ3週間のカフェイン断ちをした17名の被験者にカフェインを与えても、気分や思考力に有意な変化が現れませんでした。

これはニコチンによくある誤解と似ています。
ニコチンにしてもカフェインにしても「その使用で作業効率が上がった」とする研究がありますが、もともと依存状態にある被験者は慢性的に能力が低下していて、ニコチンやカフェインで元の状態に戻っただけ、ということが往々にしてあるわけです。

別の研究[2]でも、日常的に多くカフェインを摂取しているグループではカフェイン投与による注意力や認知力などの能力向上(=もとの状態に戻っただけ)が見られたけれど、ふだんほとんどカフェインをとっていないグループではカフェインによる能力向上は見られていません。

これら結果から言えることは、カフェインはけっして頭の働きを高めるものではなく、むしろ離脱症状で能力を低下させてしまうということ。
また、カフェインを断つことでカフェインに頼らなくても頭の働きを高く保つことができるということです。

 

2.カフェイン断ちは大変

じゃあさっそくカフェインとるのをやめようって考えるのは健全な思考であるわけですが、カフェイン断ちは想像以上に大変です。
一日にコーヒーを2杯程度飲んでいた僕ですが、その摂取量からするとカフェインの摂取量は特別多いわけではありません(コーヒー1杯でカフェイン100mgと仮定すると一日にカフェイン200mg程度でしょうか)。
にもかかわらずカフェイン断ちをしてみてその離脱症状には苦労しました。

とにかく眠い(1~5日目、辛さ度100)

寝起きの眠気覚ましをコーヒーに頼っていたせいか、朝起きてしばらくしても目がまったく冴えてくれません。
ボーっとしたまま朝の支度をすませ作業にとりかかってみるものの、眠いままです。
お昼前にはすこしよくなりますが、昼食後にはふたたび睡魔が襲ってきます。

コーヒーの半減期は6時間と言われていますから、コーヒーを断つ前では実に朝1杯のコーヒーが昼食後も作用していたわけです。
昼食のボリュームを減らしたり、炭水化物を大幅にカットすれば眠さが多少緩和されますが、いぜんとして仕事どころではありません。

それともう一つ重要なポイントが。
この一日中眠い原因というのは、コーヒーを飲んでないから眠いのではなく、コーヒーを飲んでいたから眠いんですね。
ちょっとわかりづらいので図解。
あくまで僕の体感的なものです↓

とにかくやる気なし(1~7日目、辛さ度80)

たとえば打ち合わせ。
今後どうするべきかについて熱く語ろうとするんですが、ぜんぜん熱くなれません。

「まあ・・・、こんな感じなんすよ・・・、ええ。」

みたいな冷めた感じになってしまいます。
自分にムチが打てない感じといったらいいでしょうか。

どうやらこれには血糖値が関係していそうです。
というのもカフェインには血糖値を上げるコルチゾールやアドレナリンの分泌を促す効果があり[3]、カフェインで血糖値を高めることに慣れていた体は、カフェインを断つことによって一時的に血糖値が低くなっていると思われます。

とにかく頭痛(1~3日目、辛さ度60)

頭がボーっとするのと同時に後頭部がズーンと響きます。
僕はふだん頭痛はまったくありません。
カフェインは血管を収縮させますが、カフェイン断ちをしたことで脳の血管が拡張されて頭痛がするのだと考えられます。

ちなみに頭痛薬のほとんどには無水カフェインが含まれていますが、これは頭痛の要因の一つにカフェインの離脱症状があることを知っていて、そのカフェインの離脱症状をおさえるためにカフェインをとる仕組み。
完全ないたちごっこです。

とにかく考えられない(1~14日目、辛さ度50)

眠いし、やる気が出ないし、ちょっと複雑なことをやろうとするともうそれは面倒くさいことこの上なし。
順序立てて考えることがとにかく億劫になってしまって、深く考えられません。
しばらく考えることに背を向けていると、

「このままで大丈夫か?」

みたいな焦燥感におそわれます。
ちょっと大げさですがカフェインだって立派な薬物です。
依存から抜け出すにはそれなりのドローバックがあることを知ってしまいます。

その他のありがちな離脱症状と傾向[7]

  • 疲労感
  • 注意力の欠如
  • 満足感の欠如
  • 抑うつ状態
  • イライラ
  • ブレインフォグ(頭の中にモヤがかかる状態)
  • 風邪に似た症状(寒気・吐き気・筋肉痛など)

一般的に離脱症状は最後にカフェインをとってから12~24時間経過後に始まるケースが多く、20~51時間後にピークを迎えます。
離脱症状は2~9日間で収束することがほとんど。
一日のカフェイン摂取が100mgを超えていれば、離脱症状が出てくるようです。
100mgといえばコーヒー約1杯分ですから、ほとんどの方が該当するのではないでしょうか。

 

3.楽にカフェイン断ちする方法

ではどうやったら楽にカフェインを断つことができるのか?
慢性的にカフェインをとっている方であれば、どうやっても多少は離脱症状と向き合わないといけないでしょう。
その離脱症状の程度をできるだけ軽くするアイデアです。

カフェインを徐々に減らすこと

たとえばふだんコーヒーを3杯飲んでいた方が突然まったく飲まなくなると、それはそれは辛い離脱症状が待っていることでしょう。
そこで一日コーヒー1杯の状態までまず減らしてからカフェイン断ちを行うと、離脱症状が軽くてすみます(といっても僕はもともとコーヒー1杯程度で離脱症状に苦しみましたが・・・)。
コーヒーと比べカフェインが少ない紅茶や緑茶に切り替えておくというのも一つの方法です。

プラシーボ効果を利用すること

カフェインをとったという感覚(錯覚)さえあれば、離脱症状は大きくならないとする研究があります[4]
とはいえ自分自身に偽のカフェイン入りコーヒー(=デカフェ)を与えてだまし続けるのは不可能でしょう。
ただし、デカフェを飲むことでかなり離脱症状の苦痛から開放されることはたしかです。
コーヒーを飲んでいるという精神的な満足感と、デカフェながら多少のカフェインが含まれていることが影響しているのだと思います。
それに最近のデカフェはカフェインレスとは思えぬほどおいしいので、脳は知らないうちに本物のコーヒーであるようにだまされているのかもしれませんね。

僕がカフェイン断ちのお供に使ってた↓のデカフェはインスタントですが、下手なデカフェ系ドリップコーヒーより断然おいしいですぞ。
コーヒーらしい苦味が好きな方に。

辛すぎるときは少しカフェインを取る

離脱症状は思いのほか長く続きます。
人によっては2週間を超えることも。
その期間をなんとかしのぐ必要があるわけで、どうしても辛いときには少しカフェインをとるのも全然アリかと。
ただし、コーヒーに含まれるカフェインは多すぎるので、紅茶や緑茶あたりがおすすめです。

種類 1杯あたり
カフェイン量
100ml中
カフェイン量
玉露 (150 ml) 150 mg (100 mg)
コーヒー (エスプレッソ)(50 ml) 140 mg (280 mg)
コーヒー (ドリップ)(150 ml) 135 mg (90 mg)
コーヒー (インスタント)(150 ml) 68 mg (45 mg)
栄養ドリンク (100 ml) 50 mg (50 mg)
コーラ (500 ml) 50 mg (10 mg)
抹茶 (150 ml) 45 mg (30 mg)
ココア (150 ml) 45 mg (30 mg)
紅茶 (150 ml) 30 mg (20 mg)
ほうじ茶 (150 ml) 30 mg (20 mg)
ウーロン茶 (150 ml) 30 mg (20 mg)
緑茶 (150 ml) 30 mg (20 mg)
玄米茶 (150 ml) 15 mg (10 mg)

 

4.カフェイン断ちをしないでもいい場合?

体質によってはカフェインの影響があまり出ない方もいます。

  • 遺伝
  • 体重(重いほうが効果が出ない)
  • 肝臓の働き
  • 性別(女性の方がカフェインの代謝が早い)
  • 年齢(加齢とともにカフェインに弱くなる)

こういった理由でカフェインの効果が出づらい方はそもそも依存しにくいので、カフェインを断つ必要はないですね。
コーヒー好きの僕からするとうらやましい限りです。

まあ、そもそもカフェインの摂取が気にならない方はこの記事を読んでいないですね。
カフェインによるマイナスの影響を懸念しているのならば、一度カフェイン断ちをしてみて心と体にどのような変化が現れるかを観察するのは、とても有意義なチャレンジだと思います。

 

5.カフェイン断ちをするメリット

わざわざ離脱症状を経験してまでカフェイン断ちをするわけですから、カフェイン断ちをするメリットを再度確認しておきましょう。

  • 集中力に波が出ず、高いレベルで一定になる
  • 焦りや不安が少なくなる
  • 眠りが深くなる
  • 冷え性が改善 <= これ結構すごい
  • 人生が変化するかもしれない

民主主義の世界に生きる僕たちは世の中のマジョリティ(多数派)がやっていることを「正しいこと」として認識しがちです。

しかしマイノリティ(少数派)が正しいことは少なくありませんし、過渡期においては少数派が正しかったことがのちに証明されることになります。
というのも、10年後、20年後、カフェインをとることが今ほど当たり前でない可能性は十分ありえます。
いまカフェインを断つことは時代の先駆者なのかもしれません(いいすぎ?)。

アルコールもそうですが、依存性のある嗜好品というのはその使用を肯定するためにメリットばかりが強調される傾向にあります。
よく聞くのが「少量の飲酒は健康によい」というフレーズ、詳細は触れませんが詭弁です。
アルコールはその害が薬物の中でもっとも高いことがもはや定説にも関わらず[5][6]、いまだに合法のままだったりします。
世知辛い世の中、みんなすべてを忘れ、酔っ払いたいんですよね・・・。

アルコールほどではないにせよカフェインにも同様の議論があり、カフェイン断ちをすることで心身が変化して、少し違った未来が見えてくる可能性は十分にあります。
その可能性にかけてみたいとは思いませんか?

追記(2017年5月6日)

別記事でもご紹介したスマートウォッチで眠りの質をモニターしていたところ、カフェイン断ちをしてから一週間で目に見えて深い眠りが増えていきました。
このスマートウォッチは内蔵されている加速度計で睡眠時の体の動きをモニターして、浅い眠りと深い眠りを判断するという簡易な機能ではありますが、傾向をつかむには十分ですね。

 

さとすきー

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