プロテインはステロイド?
よく混同されるこの2つ。
プロテインにとっては風評被害もはなはだしいといったところでしょうか(笑)
プロスポーツ選手のツイッターやビフォーアフター系ジムの流行で、最近でこそプロテインに市民権が与えられてきたような気がしますが、少し前だと
- 「プロテイン=ステロイド」
- 「プロテイン=すぐに筋肉ムキムキ」
というとんでもない嘘がまことしやかに囁かれていたりしました。
本日は一歩進みまして、
- 「体重1kgあたり2gのプロテインは摂りすぎ」
という風潮にメスを入れてみたいと思います。
体重1kgあたり2gのプロテインは摂りすぎとかいう風潮
1.「2.0g/kg」のプロテインは別に腎臓に悪くない
プロテインを摂りすぎると腎臓に悪いというよくある話。
これって本当でしょうか。
複数の男性アスリートに対して行われたある研究があります[1]。
対象となったアスリートは体重1kgあたり1.28~2.8gのプロテインを摂りましたが、尿に含まれるクレアチン、アルブミン、尿素の値に以前と変化が見られませんでした(=腎臓に特に負担がかかっていないとみられる)。
この話には続きがあって、短期間にプロテインの用量を増やす(1.2g/kg⇒2.4g/kg)と血中のたんぱく代謝物(=腎臓へ負担がかかったサイン)が増えていました[2]。
これら研究からいえることは、プロテインの摂取量が極端に多い、もしくは急激にプロテインの摂取量を増やすなどしなければ、プロテインの腎臓への悪影響を心配する必要はないということです[3]。
ただし、もともと腎臓になんらかの異常がある場合、プロテインは悪影響を及ぼしますのでご注意を[4]。
2.プロテインは肝臓にも悪くない
現在肝硬変の治療ではたんぱく質を控えるのが常識となっています。
これはたんぱく質によって増えた血中のアンモニアが「肝性脳症」を引き起こすから[5]。
ただし、たんぱく質が肝臓に悪いことを示す研究結果は限られていて、その研究一つはマウスに48時間絶食させた後、高たんぱく食(35~50%のたんぱく質含有率)を与えたという極端な例でした[6]。
健康な方の場合、これまたプロテイン摂取量を急激に増やすなどしなければ、肝臓への悪影響の心配は不要です。
まとめ
プロテインは摂取量が極端でなく(プロテインと食事を含めた総たんぱく量が3.0g/kgでも問題ないとする研究も[7])、かつ唐突に摂取量を増やさない限り(0からいきなり2.0g/kgとか)、腎臓にも肝臓にも悪影響はなさそうです。
プロテインはアスリートの筋量増加[8]だけでなく、運動をしない人でも老化による筋量の衰えをゆっくりにする[9]ので、積極的に摂っていきましょう。
さとすきー
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